MLPへの投資を考える

2018年3月24日土曜日

持論


MLPというものをご存知でしょうか。

Master Limited Partnershipの略で、共同投資事業形態を意味しています。 



Partnershipは、General Partner(GP)とLimited Partner(LP)とで構成されています。

GPは創業者や投資ファンド、その他支援企業などから成り、MLPの運営責任者として無限責任を有しています。

 一方、LPは投資家を指しており、出資額に限定される有限責任を負います。 


MLPは、言わば合名会社と株式会社のミックスのような形態です。 

合名会社:出資者が経営を行う会社形態(所有と経営が一致)。出資者(=経営者)が無限責任を負う。

株式会社:出資者が出資額分の有限責任を負う。経営は出資者から委任を受けた者が行う。


合名会社は経営の自由度が高い分、資金確保の面でデメリットがあると言えます。

株式会社では、出資者を募ることで資金が集まるので資金確保の面で優れてはいますが、経営の自由度で劣ります。 

では、両者をミックスしたようなMLPはどうでしょう。両者の良いとこどりにも見えますが、当然、メリット・デメリット(制約)があります。

メリットは法人税が掛からないことです。それ故にかなりの高配当になります。

しかし、その優遇を受けるための制約として、総所得の90%以上をエネルギー事業から得ていなければなりません。

加えて収益のほとんどを投資家に還元することが求められます。

この点は投資家にとってはメリットとも言えるかもしれません。




MLPとREITの比較

MLPの説明で、よく引き合いに出されるのがREITです。


REITは投資対象が不動産である点でMLPとは異なりますが、仕組みはほとんど同じです。

ただ、ジブンとしては、この投資対象の違いにMLPのビジネスとしての優位性があると思ってます。 

不動産は10戸あれば、10戸分が収益の上限になります。小(戸)売りです。

MLPの対象はエネルギー事業です。
エネルギー事業は上流・中流・下流に大別できますが、MLPの構成比率としては7~8割が中流です。

中流とは主にパイプラインです。 
パイプラインでは、利用料が収益になります。

REITが不動産を建てて家賃収入を得るのに対して、MLPは道路を引いて通行料を収入として得るようなものです。 

少し大袈裟かもしれませんが、小売店舗とECサイトの運営企業ほどの違いがあるように思います。


前者は、最高でも仕入れた在庫分の収益にしかなりませんが、後者は取引量が増えればその分だけ収益も上がります。


投資対象としてはどうか?

そんな有望なビジネスモデルを誇るMLPですが、株価はボコボコに下がってます。
(ドイチェ・アセット・マネジメントより引用)

上記の年間騰落率を見ると、リーマンショックまで(2003〜2008年)は米国株式を上回るパフォーマンスを見せています。

また、リーマンショック後(2009〜2011年)も米国株式を大幅に上回ってます。

これは不景気下においても安定的なキャッシュを生む仕組みが出来上がっているが故の耐性かと思います。

その後(2012〜2013年)は落ち込んでいますが、売られていた米国株式に資金が還流したことでパフォーマンスが劣ったと思われます。

そして2014年には、シェール革命で投資家期待が高まったことでリターンが割引かれ、2015年には、バブルがはじけてリーマンショック並みの下落を経験してます。


ジブンは当時の状況を知りませんが、シェール革命時には日本でもMLP関連の投信の設定が相次ぎ、過熱していたようです。

そのせいか、調べるとMLPには否定的な意見が体勢を占めてます。中には「騙されるな」と注意喚起しているサイトもありました。

ですが、バブル化した時期を除けば非常に優秀なパフォーマンスを残しています。


シェール革命時の行き過ぎた設備投資と原油価格の暴落によって、採算が大きく悪化し、未だにツケの清算に苦しんでいますが、それ故に投資対象として魅力的な水準にあると思います。

因みに…
MLPは本来、原油価格の動向に左右されにくいビジネスですが、株価は概ね原油価格に連動しています。

個人的には、MLPの多くがエネルギー関連のグループ会社・子会社になっているのが、その理由ではないかと思ってます。


原油価格は底値から持ち直しましたが、MLPやパイプライン各社は一部を除いて、底値付近を未だ横ばいで推移してます。 

エネルギーセクターが持ち直してきていることや、パイプライン各社が増配方針を打ち出していることからも、復活の兆しが見えてきているように思います。