NISAという厄介な制度

2018年5月12日土曜日

税制


貯蓄から投資への流れを促すべく導入されたのがNISAですが、これが中々厄介な代物です。

勿論、メリットはあるのですが、デメリットに苦しむことも可能性大です。



利益にならなければむしろ不利に働く制度だからです。

狙って思い通りに利益が出せるなら誰も苦労しません。

投資初心者を投資に向かわせるならば、少なくとも損失が出たときにデメリットになるような点(損益通算不可、NISA期間終了時の株価が取得価格に置き換わる点)は改善すべきだと思います。


特に判断が難しいのが、NISAでキャピタルゲイン狙いの銘柄に投資した場合です。


考えてみて下さい。
仮に投資した初年度に20%の含み益になっていたとします。

米国株の年平均リターンが7%くらいであることを考えれば3年分の含み益を抱えていることになります。

ただ、NISAの期間は5年間です。

NISAの有効期間5年×米国株の年平均リターン7%=35%の含み益がないと勿体ないような気がしませんか?

ところがNISAの有効期間が終了する5年目の時点で含み益が残っている保証はありません。

調整局面を迎えて、含み損の状態でNISAが終了する可能性もかなり高いと言えます。


そうなるとNISAのメリットが全く無くなるどころか、むしろデメリットになってしまいます。

5年間限定
年間120万円のNISA枠
権利は一度きり(売却すると権利を失う)
という制約と、
損失になればむしろ税制上不利益を被る
という特性が合わさって非常に難解な投資条件ができあがります。


ジブンもキャピタルゲイン狙いのETFをNISAで保有しており、現在20%以上の含み益を抱えていますが、この扱いに悩んでいます。

まだ売り時ではないとも思いますが、思いかけず調整局面入りすればNISA期間が終了するまで株価が戻ることはない、とも思います。

仮にNISA期間終了時点で20%株価が値下がりしていれば、取得価格がその株価で再計算されます。

つまり、損失なのに税金が引かれるという事態になりえます。

イールドカーブがフラット化すればその懸念が現実になる気がします。

キャピタルゲイン狙いの銘柄はそろそろ売却を検討しようかと思います。


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