太陽光発電事業の検証①収益性

2018年11月9日金曜日

太陽光発電事業

先週の土日で太陽光発電のセミナーに参加してきました。
そこで収益性、税制について、業者・税理士の方に具体的な話を聞けましたので、検証してみようと思います。

まずは収益性について。

セミナーで紹介された太陽光発電の案件を載せるとトラブルになる可能性があるので、ネットで公開されている案件のシュミレーションを掲載します。

一般的な2,000万円の案件で、売電収入は200万円ほど。そこから償却資産税(パネル・パワコンに掛かる税金)、メンテナンス費(草刈り、保険費用)、固定資産税を引いて、年間の純利益としては150~160万円くらいになります。

信販でローンを組むと15年で金利2.15~2.5%程です。毎年の返済額が150~160万円くらいになりますので、CFはほぼ残らないか若干のマイナス(毎月1万円程度)になる計算になります。

FIT(固定価格買い取り制度)が20年ですので、残りの5年でキャッシュフローを獲得するようなモデルです。20年間通して純利益が1,000万くらいになります。

投資額2,000万円
20年間収入4,000万円
20年間支出3,000万円
20年純利益1,000万円

2,000万円が20年後に3,000万円になると考えると、複利2.048%です。米国の2年債利回りにも劣る水準です。ゆえに太陽光発電はショボい投資だ・・・と結論付けるのは早計です。


以下の点を考慮する必要があります。

1.自己資金0円で20年後に1,000万円が手に入る
フルローンで太陽光発電に投資した時の利回りが複利2.048%ということです。

自己資金なら米国株式に投資した方がよほど効率的ですが、株式投資にお金は貸してくれません。低い利回りですが、他人がお金を出してくれるので、負担するのはリスクのみです。

また、20年後に1,000万円に到達する金額をこの利回りから逆算すると、666万円です。
太陽光発電のリスクを負えば対価として666万円を得られるとも考えられます。


2.20年後もキャッシュを生むシステムとして機能する可能性が高い
20年後も継続して売電収入を得られるかは現時点で不透明ですが、需給に見合った価格で売電できるだろうと言われています。

具体的には1kWh当たりの単価が8~10円になる見込みです。2018年のFIT価格が18円ですので、大体半値になる計算です。それでも20年後は償却資産税は0円になっているので、コストは固定資産税とメンテナンス費、パワコンの電気代のみです。

年間60万円くらいのキャッシュフローを生むシステムとして機能する可能性があります。因みに、このキャッシュフローを配当に換算すると、配当利回り2%の株式3,000万円分です。

その他にも・・・
3.優遇制度を利用することで150万円ほどのキャッシュバックが得られる
4.経費計上できる可能性が拡がり節税効果が見込める

長くなるので3、4については②税制で検証します。

まとめ

フルローンを活用すれば投資家が負担するのはリスクのみです。

そのリスクの対価が20年後のキャッシュ1,000万円と、その後の期待キャッシュフロー年間60万円です。

FIT(20年間の固定価格買い取り制度)があるのでほぼシミュレーション通りのキャッシュフローが得られます。

対するリスクとしては以下のものが考えられます。
・天災リスク(地震、津波は保険適用外)
・パネル、パワコンの故障リスク
・出力抑制リスク(関東・中部・関西の首都圏は出力抑制なし)

これらは全て保険でカバーできるので、実害を被るリスクとしては地震・津波くらいだと思います。

以上のリスクとリターンを天秤に掛けてメリットを感じるならばやる価値ありと言えそうです。