太陽光発電事業の検証②優遇制度

2018年11月11日日曜日

太陽光発電事業

太陽光発電事業で恩恵にあずかれる優遇制度をまとめて、投資メリットがあるのか検証します。


1.FIT(固定価格買取制度)
20年間固定価格で発電した全量を電力会社が買い取ってくれます。買取原資は電力会社ではなく、国民負担です。

注意点は出力抑制です。

詳しい仕組みは知りませんが、電力というのは需給のバランスが崩れると周波数が乱れて、停電してしまうそうです。そのため、供給過剰を放置する訳にもいかず、出力抑制を発動するということです。

ただ、関東・中部・関西では出力抑制の対象になっていないようです。今のところ九州電力が出力抑制を発動してます。


2.消費税還付
課税売上高が1,000万円以下の事業者に対して消費税の納付を免除する仕組みがあります。

消費税を納付する事業者を課税事業者と言い、免除されている事業者を非課税事業者と呼びます。

電力会社が支払う電気代には消費税が含まれているので、非課税事業者であれば、消費税分得をすることになります。

しかし、これだけでは終わりません。

売上高が1,000万円以下の非課税事業者でも、届け出を出すことで課税事業者となることができます。敢えてこうすることで、得られるメリットがあるのです。

課税売上高を上回る設備投資をした場合、これに掛かる消費税額の還付を受けられるのです。

太陽光発電事業の場合、ほとんどが設備費用です。2,000万円の案件ならば、設備費用1,800万円+土地代200万円という具合です。そこから得られる売電収入は200万円程です。

この場合、設備投資額1,800万円(税込み)が課税売上200万円を上回っていますので、1,800-200=1,600万円の消費税分128万円がキャッシュバックされるという訳です。

注意点は一度、課税事業者になるとその後2年間は消費税の納付が義務付けられます。つまり、設備投資がない2年目、3年目は還付もなく、消費税を納めるだけになります(受け取った消費税分を納めるだけなので負担する訳ではないです)。

200万円の売電収入に対して、そこから消費税分16万円を納めて、184万円の利益を得ることになります。

そして3年目の時点で課税売上高が1,000万円以下であれば、4年目からは非課税事業者に戻ることができます。

こうすることで、還付金128万円-消費税納付分16万円×2=96万円のキャッシュが得られ、4年目以降は非課税事業者に戻って消費税の納税免除の恩恵を受けられます。

更に消費税が10%に増税されれば、その分課税売上はupするので利益増額が期待できます。




3.中小企業等経営強化法
この制度の認定を受けられた場合、償却資産税が3年間半額に免除されます。

償却資産税は1月1日時点で所有する償却資産に対して、課税標準額(千円未満切り捨て)×1.4%で計算されます。

太陽光発電の設備は耐用年数が17年と定められていますので、1年で5.9%減価していくことになります。償却資産評価額が1,800→1,694→1,594→1,500万円と減価していくという具合です。

1,800万円の設備に掛かる3年間(2年目~4年目)の償却資産税は・・・
1,694万円×1.4%+1,594万円×1.4%+1,500万円×1.4%=67万円、この半額33万円程の納税が免除されます。

注意点としては、東京・千葉・神奈川・愛知に所在する太陽光発電システムは適用除外となります(税理士の方からの情報なので間違いないと思います)。

更に嬉しいことに、日本政策金融公庫から融資を受ける場合は、0.9%金利引き下げの特典があります。


4.生産性向上特別措置法
年率3%以上の生産性向上が見込まれる設備投資を行ったと認められた場合、償却資産税が3年間全額免除されます。

「生産性の向上」というのがポイントで、創業間もない事業は原則適用外です。

ただ、原則があれば例外もあるらしく、認定を受けることは可能とのことでした。こちらも受け付ていない地方自治体があるようですので、注意が必要です。詳細については聞き出せませんでしたが、税理士の方に依頼すれば対応してくれるそうです。

そうなれば3年間の償却資産税67万円分の納付が免除されます。


まとめ

以上を総合すると、96万円のキャッシュバック+67万円の免税=163万円の経済効果が得られます。0.9%分の金利引き下げ効果も大きいので、これも加味すれば相当な経済効果です。

このように、太陽光発電事業は制度的に非常に優遇されてます。

20年間の売上(買い取り)保証と免税、優遇金利が用意されてます。

収益性は大したことありませんが、フルローン(自己資金0円)で始められること、優遇制度が整っていることを加味すれば、投資妙味はあると思います。

収益性についての検証はこちら。
(関連記事)太陽光発電事業の検証①収益性



(番外編)
とある太陽光発電事業者の方のブログで裏技として紹介されていました。
個人名義で投資した太陽光発電システムを、数年後に法人を設立してその法人に売却します。そうすることで法人でも消費税還付を獲得できます。システムが個人→法人に、お金が法人→個人に移動するだけですが、その代金に含まれる消費税分の還付を獲得できます。さらに別の法人に同じことをすれば、同じように還付を受けられます。さすがに同一人物で資本移動させるのはNGだと思いますが、家族間でやる分には制度上問題ないような気もします。国税庁に目を付けられる可能性が高いですが。さすがにここまでやるつもりはありませんが、着眼点が参考になるので、紹介してみました。