IRRとNPVと太陽光発電

2018年12月26日水曜日

太陽光発電事業

NPVとIRRというものをご存知でしょうか。
最近初めて知りましたので、紹介します。


NPVとは
Net Present Valueの略で、割引現在価値と表現されます。将来のキャッシュフローを一定の利率で割り引いて、現在価値で表したものです。

IRRとは
Internal Rate of Returnの略で内部収益率と呼ばれています。NPVが0になるときの割引率です。


NPVとIRRは数式で下記のように表せます。

左辺がNPVを表しており、このときのrがIRRです。

米国株投資を例にして考えてみます。
例えば、5年間で以下のような配当が期待できる銘柄に100万円投資して、5年後に120万円で売却できると仮定します。
投資・・・-100万円
1年後・・・2万円(配当)
2年後・・・2.2万円(配当)
3年後・・・2.4万円(配当)
4年後・・・2.6万円(配当)
5年後・・・120万円(売却)

この場合は、IRR≒5%となります(エクセルを使えば簡単に算出できるので、計算過程は割愛します)。



株式の場合は、売却時の株価が不確定なため、このような使われ方はされませんが、太陽光発電のような将来のキャッシュフローの見込みが立ちやすい案件では参考になるかと思います。


IRRを用いた検証
例えばローン金利(資金調達コスト)が2%で、IRRも2%であれば、やる意味なしと言えます。

では、IRRが5%ではどうでしょうか。

差し引き3%のリターンが期待できそうですが、太陽光発電投資のリスクを考慮して3%で割引くならば、これまた投資するに値しないと考えられます。

このときの判断基準となる利率を、ハードルレートと言います。

太陽光発電のハードルレートは、ローン金利+αと言えます。


NPVを用いた検証
IRRを使った検証では金額の多寡が考慮されません。金額の多寡に着目するときはNPVを使います。

まず、将来のキャッシュフローをハードルレートで割り引いて現在価値に換算します。

その金額から初期投資額(自己資金)を引いてプラスであれば、ハードルレートを上回るリターンが期待できると考えられます。

20年間のキャッシュフローを5%で割り引いた現在価値が500万円、自己資金の初期投資額(土地代)が300万円とします(土地代はローンで組めないので自己資金で賄うことになります)。

この場合、NPV=200(>0)となるので、投資に値すると判断できます。

これは、投資成果を初年度に集約したとき、300万円の投資で200万円の利益が得られるのとを意味しています。

投資成果を金額で比較できるため、イメージしやすいかと思います。