永続する会社が本当の利益をもたらす

2018年4月14日土曜日

持論


このタイトルは、ジェレミー・シーゲル教授の著書「株式投資の未来」のサブタイトルで用いられている表現です。



実は、永続する会社という観点は、これまであまり意識していませんでした。

大多数の会社よりもジブンの人生の方が先にエンディングを迎えるのだから、永続するか否かは関係ない、と考えていたからです。 


先日、運用方針を策定し、株式を後世に引き継ぐことを決めたことで、このタイトルが腑に落ちました。

永続する会社が利益をもたらす、という考えについて理解はしていたつもりですが、その理解が不十分でした。




キャッシュを分配し続けてくれるわけですから、長く続くということは非常に重要です。

一方でキャッシュを株主に分配するためには、キャッシュを稼ぐ必要があるわけで、そのためには利益成長が不可欠です。


そのため一般的には成長が重視されます。

競争激しい現代では成長がなければ淘汰されるからです。
常に成長が求められます。
持続のためにも成長が必要なのです。


しかし、あまりに成長を追い求めると持続性が損なわれます。

減配に至った会社は大抵はこのパターンです。
以前取り上げた<KMI>もそうでしょう。  
(関連記事)減配実例に学ぶ~KMI編~

成長を求めて、稼ぎに見合う額以上に先行投資・設備投資を行った結果、減配に至った事例です。(原油価格の暴落という特殊要因もありますが) 


成長か?持続か?
 

一度でも減配されると株主が得るリターンは大きく損なわれます。

複利の効果が半減するからです。複利効果を最大限享受するためには持続性が重要なわけです。


そう考えれば「成長」に勝るのが「持続性」です。

 長期的に持続すること(=永続)で複利が味方になってくれて、成長性で劣る企業でもリターンでは勝る可能性があります。


成長無くして持続も無いのですが、「持続性を見据えた成長」である必要があります。


では、長期的に持続する会社とはどんな会社でしょうか。 


ジブンは今、「低成長が許される会社」がそれに当たると考えています。

競争が激しくなく、成長に舵を切らなくても淘汰されない、そんな会社です。


そうなると一番は公益、インフラを提供している会社でしょうか。 


公益セクターの是非

 一般的には、公益、インフラ会社はパフォーマンスが良くない、と認識されています。 

成長性が低いことと、設備投資が高くつく、というのが理由かと思います。 


ですがジブンは、これまでに述べてきたように、持続性を見据えた設備投資であれば、それが高額であってもマイナスには働かないと考えてます。市場の期待が乗っからないからです。


これが成長を追い求めた設備投資となると話は別です。
その場合は期待が乗っかります。
期待が集まると株価が割高に形成されてリターンが割り引かれます。


また、一般的には、設備投資にキャッシュが使われると株主還元が犠牲になると考えられますが、公益・インフラ会社はやや特殊です。


営業キャッシュフローが非常に安定してます。数年先の営業キャッシュフローの見通しが立つと言っても過言ではないかもしれません。

それ故に、計画的な株主還元が可能で、設備投資に多大なコストが掛かるとしても、それが成長を追い求めた(身の丈以上の)ものでなければ、株主還元が犠牲になることはありません。




以上のような考えから、一般的には否定される公益・インフラ会社に対して、ジブンは肯定的です。


設備投資に多大なコストが掛かりますが、公益性が求められる業界故に低成長でも淘汰される可能性が少なく、キャッシュフローの見通しが立つため計画的な株主還元が可能です。


「永続」に最も近い存在と言えます。
だとすれば、結果的に優れたリターンをもたらしてくれるはずです。
(100年、200年単位の話ではありますが)


全ての銘柄を公益・インフラ会社に切り替えるつもりはありませんが、段階を経て比率を高めていくつもりです。



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