減配実例に学ぶ〜KMI編〜

2018年4月8日日曜日

減配実例に学ぶ


配当再投資を実践する上でなんとしても回避したいのが減配です。

事前に減配を察知してそれを回避することは難しいと思いますが、過去の実例から何かしらのヒントが得られるかもしれません。

1社では意味をなしませんが、蓄積すれば貴重なデータになるような気がします。
ここではシリーズ化して減配実例を取り上げ、キャッシュフローの推移を見ていこうと思います。



初回はジブンが新規投資を検討している<KMI>です。

最初に<KMI>について簡単に紹介しておきますと…
<KMI>は、エネルギーの中流を担うパイプラインの運営会社です。

主として、パイプラインで原油や天然ガスなどを配送し、配送距離に応じた設備使用料を徴収するビジネスです。


シェール革命が引き起こした原油安を受けて、2016年に75.5%もの減配に踏み切り、配当は0.51→0.125($/quarter)になりました。

現在は、復活の兆しが見えたのか、2020年には年間配当1.25$にまで増配する方針を掲げています。今の配当額からすると実に2.5倍の水準です。

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2020年まで毎年10%増配する銘柄!!


まず始めに原油価格と<KMI>の株価の動きを比較してみます。

WTI原油(紫線)とKMI株価の比較チャート

原油価格は2014年6月頃から下落し始めてますが、<KMI>の株価はその後も約1年上がり続けてます。そして、原油価格の急落から遅れること1年で下落に転じています。


続いてキャッシュフローの推移を見てみます。

営業CF 投資CF FCF 財務CF Cash
KMIのキャッシュフロー推移

営業CF+投資CF=FCF
FCF+財務CF=Cash


財務CFのプラスは借入や増資などによる資金調達を、マイナスは借入金の返済や配当の支払い及び自社株買いなどを示します。

FCFがマイナスの場合は財務でそのマイナス分を補い、プラスの場合はその余剰資金が財務に使われます。

そして最後に残ったCashが内部留保となるわけです。


2012年
急激に設備投資を増やしてます。とても営業CFで賄える額ではなく、営業CFと同等程度の巨額な財務で補っています。

2013年
前年の設備投資の効果で営業CFが伸びています。一方、設備投資は減らしてFCFを確保しています。

2014年
営業CFの伸びが鈍化しました。ほとんど伸びていません。原油価格の急落が影響していると思われます。そんな状況下でも設備投資は前年の水準にまで増やしてます。

2015年
原油価格が下げ止まり、上半期で若干持ち直しました。原油価格が下げ止まったことと、前年に設備投資を増やしたことから、営業CFの伸びが持ち直したように見えます。それに伴って設備投資も伸ばしてます。

2016年
2015年後半頃からさらに原油価格が下がりました。その影響か、営業CFが減少に転じました。設備投資も急激に絞り、FCFを確保してます。75%の減配を断行したのもこの年です。この時点では減配せざるを得ない状況でもなかったように思えます。翌年以降も営業CFが減少することを見越して早めに手を打ったということなのでしょうか。

2017年
原油価格は結果的に2016年の年初を底値に持ち直しました。ですが<KMI>の営業CFは減少に歯止めがかからず、微減してます。そんな中でも設備投資は増やしてますが、FCFは確保して引き続き財務の改善に努めてます。




考察
ここまでの原油価格と<KMI>のキャッシュフロー、株価を照らし合わせてみると・・・
2014年の原油価格の急落下で設備投資を加速させたこと、その設備投資が営業CFの伸びにつながらなかったこと、が減配につながったように思えます。


FCFを確保できていないのだから減配も当然、と思われそうですが、同業他社も似たようなものです。ただ<KMI>は、それがちょっと行き過ぎたのかもしれません。

ですが、2014~2015年も財務CFはそれほど大きくありませんでした。
資金調達して設備投資したのではなく、稼いだ分をそのまま設備投資に回したということなので財務が悪化した訳ではありません。


財務が悪化したから減配したというよりは、営業CFは伸びないが設備投資は続けなければならない→次第に財務が悪化していく→早目に手を打っておこう→減配という判断だったのかと推察します。

多額の設備投資を要するのは業界の特性なのでやむを得ない部分もあるのかもしれませんが、ブレーキを踏まなかったのが結果的に仇となりました。


もう一つ言えるのは、原油価格と<KMI>の株価はほぼ連動してますが、両者にタイムラグがあるということです。原油価格の動きに遅れて<KMI>の株価が追従しているように見えます。キャッシュフローも原油価格にやや遅れて影響を受けています。


原油価格は昨年の夏頃から上がり始めましたので、<KMI>の株価も今年の後半くらいから持ち直すのかもしれません。

<KMI>は増配方針も掲げているので、アナウンス通りに実行されれば、株価もついてくることが予想されます。現時点では<KMI>の増配方針にマーケットはまだ懐疑的です。株価は下落しています。


以上、ジブンは分析できるほどのスキルとノウハウに乏しいので、結果論で原油価格と<KMI>の株価、キャッシュフローを照らし合わせ、減配に至るまでの過程を想像してみました。

免責事項
<KMI>を推奨する意図は全くありません。
株価はむしろ下落傾向にあり、投資はお勧めしません。
代わってジブンが投資予定ですので、危ない橋を渡るところを見守って頂ければ幸いです。


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